私と彼の関係
「昨日、無事に帰れたか気になって」


「大丈夫だよ」


 もう一日経っているのに気になったって何なんだろう。私にメールを送る時間くらいあるはずなのに。


 最初なら彼がそうしてくれたことで十分だった気がする。うれしくてたまらなかった。それどころか今は反発を覚えていた。


 彼と一緒にいることで、どんどん気持ちがよくばりになっていってしまっていた。


 私たちの会話が途切れる。どちらも何も言わない。


 私は唇を噛む。


 彼が私の望む言葉を言ってくれるのを待っていたのかもしれない。


 そうすることで彼を好きという気持ちを保とうとしたのかもしれない。


「私、告白されたの」


「岸川?」


 彼があっさりと相手を言い当てたことに驚きを隠せなかった。


「断るなら断ればいいし。俺を理由に使ってもいいし。まあ、いいやつだし、つきあってもいいんじゃない? 別に俺に君を止める権利も、必要もないから」
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