私と彼の関係
 今回は私だった。でも、いつか宮野君にも好きな人ができて、同じ言葉を言われてしまうなら、もっと好きになる前に彼から離れたほうがいいかもしれない。


 また憧れの人に戻れば、今みたいに傷つかなくていいからだ。


「だから終わりにしようか。こんな無意味な関係」


「君がそうしたいならいいよ」




 間髪なく、彼から告げられた同意の言葉だった。その言葉に胸が痛んでいた。


 私は彼に別れの挨拶をすると、電話を切った。



 それから何をするでもなくボーっとしてた。



 そのとき、外からクラクションの音が聞こえ、電話を手に、窓の外を見る。


 もうすっかり日は落ちていたけど、


 空は驚くくらい晴れていて、いつもは美しいと思う、星の瞬く夜空も、その日は霞んで、泣いているように見えた。

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