私と彼の関係
第十三章 関係の理由
 好きという気持ちが特別だった。それは私だけのことで、宮野君にとってはそうでなかった。


 彼にとっては私とのことは暇つぶしではなかったんだって気付いたのだ。


「おはよう」


 その明るい声に顔を上げると岸川さんがいた。


「急に誘ってごめん」


「気にしないで。私も暇をしていたから」


 宮野君との関係を解消して一週間がたった。


 あれから宮野君が私に連絡をしてくることはない。



 あたりまえのように、宮野君にとって私という存在は取るに足らないものになっていくんだろうなと思った。


 彼から誘われたのは映画。私も見たいものがあったので、一緒に行くことになった。


 一人でいたくなかったからということもあった。


 あれから時間があれば宮野君のことばかり考えそうになってしまうからだ。


 ほんの数ヶ月のことだった。親が転勤になって、そこから私は彼と始めて話をした。
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