私と彼の関係
 私たちはお昼ご飯を食べて、家に帰ることになった。


 家に帰る途中、彼は足をとめて私に問いかける。


「宮野の家まで送っていこうか?」


「まだいいです」


 少し考えて答えた返事に、彼は苦笑いを浮かべていた。


 そして、家まで送ると、私に別れを告げる。


「あんまりゆっくりしすぎないようにね。そんなに怖がらなくても大丈夫だと思うから」


「いろいろありがとうございました」


 彼の言葉を受け止め、深々と頭を下げる。


「少なくとも嫌いな子のためにあいつが勉強を教えたりなんかしたりしないとは思うよ。それどころか、自分の時間を裂くことも考えられないからね。

俺が知る限りだと、完全に妹としてみている里崎さんと君だけだから。だから大丈夫だと思うよ」


「どうしてそこまで私に宮野君に告白しろって言うんですか?」


 好きだったら、自分の彼女にしたいと思うはずなのに、彼はなぜか私に宮野君に告白をさせようとする。その真意が分からなかったのだ。
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