私と彼の関係
 笑顔でそう口にした彼女に対し戸惑っていた。


「花火って、宮野君って」


「渉は一足先に駅に来ていると思いますよ。先輩が来るとは言ってないけど。きっと私の代わりに先輩が着たら喜ぶと思いますよ」


「私、あの」


 彼女はまだ宮野君から話を何も聞いていないんだろう。


 まだ心の整理もできないままだった。


 私は宮野君と一方的に別れを告げたまま、連絡をとってもないのだ。


 だが、ののかちゃんはそんな私の気持ちに気づいた様子もない。


「行きましょうか」


 と笑顔で促してくる。


 笑顔で言う彼女に嫌だということはできずに、彼女と一緒に宮野君と待ち合わせをしているらしい駅まで行くことになった。
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