私と彼の関係
「用事ね」


 宮野君が私の背後をチラッと見る。


「わざわざ悪いな。家までは送るから」


 この前までなら一緒に見ようといってくれたかもしれない。


 彼からの絶縁状を突きつけられたような気がしてしまっていたのだ。


 宮野君は私の脇を抜け、歩いていく。


 いろんな人からいろんなことを言われ、何が真実か分からなかった。


 でも、ただ一つだけ分かるのは私がこの数ヶ月の間に彼のことが好きでたまらなくなっていたということだった。


 今でも、キスされたことさえも嫌な思い出とならないくらいに。


「私の気持ちは迷惑でしかない?」


 宮野君が振り返る。私を凝視していた。


「何言って」


「私は宮野君がすきなの」


 言葉が口からこぼれる。

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