私と彼の関係
「何でそう君は考えなしにああいうことを言うんだか」


「ごめんなさい。もうはっきり諦めようと思って」


 泣くつもりはなかったのに、自然に目から涙が溢れえてくる。


 自分でもどうしていいのか分からなかった。


「別に怒っているわけでもないんだけど。話は後からきくよ。その前に」



 彼は困ったように眉をひそめる。


「あいつを家まで送らないと」


 彼の指差した先には息を乱したののかちゃんの姿があった。


 さっき彼が向こうをみたのはののかちゃんについてこいと言ったんだろう。


「私は一人で帰れるから大丈夫だよ」


「いいよ。どうせ、彼女を家まで送らないといけないし。その途中だから」


 宮野君が私を指差した。


 でも、宮野君とののかちゃんの家は近く、私を送ると遠回りになることは明らかだった。


「私、一人で帰るから大丈夫」


 そういった私の言葉を宮野君が打ち消していた。


「くだらないことを気にしなくていいよ。二十分もかからないんだから」
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