私と彼の関係
　彼はそう言うと、私たちに背を向けて歩いていく。


　彼の本心は私には見えなかった。


　何を考えているのかも、私のことをどう思っているのかも見えない。


「あの、ごめんなさい。気になって帰れなくて」


　私のそばを歩いていたののかちゃんがそっと囁く。


　私は首を横に振る。


　もともと迷惑をかけまくったのは私だから。


　宮野君は早足で歩き、私とののかちゃんがその後を追いかけるように歩いていた。


「でも、さっきの話って変ですよね。まるで渉が先輩のことをなんとも思っていないみたいな気が」


　彼女はそう口にする。



　彼女は私と宮野君が普通につきあっていると思っているから、そのことが疑問だったんだろう。
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