私と彼の関係
　彼女は怒るどころか、不思議そうな顔をしていた。


「どうして片思いなんですか？　だって渉は先輩のことが好きだって」


「言ってない」


　宮野君がののかちゃんの言葉を遮っていた。


「顔がそう言っていたから、言っていたのと同じです」


「まったく。都合いい頭だな」


　宮野君はそういうと、またスタスタと歩き出した。


　ののかちゃんの言葉を拒むのが面倒になったんだろう。


　彼女を送った後、私はどこかで彼に振られるんだろうか。


　分かっていたけど、胸が痛んだ。


　彼女を家の前まで送ると、ののかちゃんは笑顔を浮かべていた。


「楽しく過ごしてくださいね」


　彼女はこれから私たちが花火大会に行くとでも思っているんだろう。


　さっきも否定されたことを考えると、実際そんなことはないだろうけど。


　私はそんな彼女に会釈をし、歩き出した宮野君の後を追った。
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