私と彼の関係
　宮野君は少し歩くと、信号で足を止める。


　私はそんな彼に並ぶようにして足を止めた。


　結局、すぐに家に帰ることになってしまったな。


「何でわざわざののかについてきた？　花火でも見たかった？」


　そう淡々と問いかける彼を見て、足を止めていた。


　あたりはもう紫色の光が包み込んでいて、もうすぐ日が落ちる。


　そして、じきに空に花火が打ちあがりだす。


「最初は知らなかったの。ののかちゃんに花火大会に誘われて、そしたら宮野君と一緒に行けばいいって言われたの。

それでも来たのはどこかで一緒に見たいって気持ちがあったからだと思う」


　そのとき、宮野君が私の手をつかんだ。


　突然のことにびっくりしたけど、もっと驚く言葉が飛んできた。


「じゃあ、見に行く？」


　答えを聞きたかった。でも、その答えがノーだったら、もう宮野君とこうしていられなくなるかもしれない。


　そう思うと、自分から答えを聞く勇気がなかった。


　歩き出した宮野君の後を追う。彼がわずかに息を吐く。
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