私と彼の関係
「君ってさ、本当に何を考えているのか分からないよね」


「え? 私が?」


「分かりやすいけど、すごく分かりにくいなって思っていたから」


「そうかな」


「てっきり岸川とつきあうんだと思っていた」


 私はその言葉に首をかしげる。


「そんなこと言ってないけど」


「君がやめるって言い出したのはあいつが原因なのかなってさ」


 タイミング的にはそうだったのかもしれない。でも、実際は違っていた。


「違うの。宮野君のことが好きだから、一緒にいるのが辛かったから」


 そう思わず大きな声で口にしていた。


「だから何でそう公衆の面前で好きだって言葉を連呼するんだか」


 彼はそうため息混じりに呟く。


「ごめんなさい」


「別にいいよ。駅よりはましだから」
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