私と彼の関係
「優菜のこと、気にしていたよ。今日、一緒じゃないのかって。あれは優菜に何か話があるみたいだったけど」


 あいは彼のことをかっこいいとは思っているみたいだが、好みではないようだった。からかうように私に問いかけてきた。


「何て?」


「分からないけどさ。だから言ったんだ。今日は五時間目で授業が終わるから、その頃に着てくれたら優菜を連れて行きますよって」


「え? そんなこと聞いてない」


「今、言ったんだもん。知らなくて当然。でも、嫌なら断るよ。用事があるって言って。ついでに電話番号とアドレス聞いたし」


「どうする?」


「いいよ。いいけど」


 窓ガラスに自分の顔を映し出す。やっぱり髪の毛が全体的にいつもよりボリュームを持っているような気がした。


 今日は寝癖のまま学校にやってきたのだ。髪の毛が長いので、目立たないけど、身だしなみなんて言葉が程遠いような格好。


 櫛で髪の毛をとかしてなんかもいない。そんなことを考える余裕もなかったから。
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