私と彼の関係
 彼女には一連の事情を全部話をしていた。振りから、つきあうようになったことまで。


 彼女は嫌そうな顔をせずに最後まで笑顔で聞いてくれて、自分のことのように喜んでくれていた。


「渉はいじっぱりですからね」


「勝手に言っていればいいよ」


 宮野君はわき目を振らずに歩き出した。私とののかちゃんも彼の後を追うことにした。


 歩いていたののかちゃんが不思議そうに首をかしげる。


「でも、渉はいつから先輩のことを好きになったの?」


 わたしもそのことは知らなかった。きいたら、本人にその気があったのかは分からないけど、キスの真似で誤魔化されたからだ。


 本人にごまかすつもりがあったのかは分からないけど。


「別に」


「私が先輩のことを渉に教えてから? 渉って先輩のこと知らないみたいだったよね」


 ののかちゃんは宮野君の言葉を無視して、問いかけていた。


「違う」


 無視はできなかったのか、否定していた。そのとき宮野君と目が合い、目をそらされた。


 ののかちゃんは何か確信があったのか、勝ち誇ったような顔をしている。
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