私と彼の関係
 学校に行くと、ののかちゃんとは二年の教室がある二階で別れた。


 やっぱり彼女は有名なのか、何人かののかちゃんをちらちらと見ていた。


 ののかちゃんはそんな視線を気にした様子もない。


 彼女は意外と鈍くて、そういう視線にも気づいていないんだろうなと今なら薄々分かる。


 無防備と思えなくもないような気がする。そう考えると、宮野君が心配する気持ちも分からなくはない気がする。


 そのとき、岸川さんの言っていた言葉や、あいに言われた言葉を思い出す。


 私も似たようなものだったんだろうか。だった、と過去形にしていいのかは不明だけど。


 教室に入ると、あいが既に席についていた。他にも何人かクラスメイトがいた。


 あいには宮野君とのことを邪魔したら悪いといわれ、夏休みに会うことはなかったが、メールで本当の彼女になったことは伝えておいた。


「相変わらず仲良くやっているの?」


「そこそこかな」


 仲はいいんだろうな。


 決して恋人同士ぽくはない。花火大会の日にキスはしたし、抱きしめられたけど、振りだった頃とそんなにはかわった気がしなかった。


「夏休みはデート三昧だったんだね」
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