私と彼の関係
　鞄を抱きかかえるようにしてつかんだ。さっきまで彼がこの鞄を持っていたと思うと、やけに意識してしまっていた。


彼女の振りの意味が分からないが、毎日こういうことがあると思うとやっぱり緊張してしまっていた。


　あっという間に彼は数個のパンを取ると、レジに持っていく。そして会計を済ませ、私のところに戻ってきた。


　彼は私の鞄を受け取る。そして、さっさと私を置いて店を出てしまった。一言くらい声をかけてくれてもいいのにと思いお店を出たときだった。


「優菜」


　突然聞こえてきた言葉に噴き出しそうになる。だが、わたしが何かを言う前に、目の前に白いビニール袋が差し出された。


「やるよ」


「やるって。宮野君のお昼ごはん」


「いつも学食だし」


「どうして？」


　彼の言葉の意味が分からなかった。


学食を使う彼がどうしてパンを買ったのか。その前にした会話が頭をよぎる。

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