私と彼の関係
 わたしが朝ごはんを食べていないといってくれたから買ってくれたのかなとはいえなくて、そのパンを受け取る。


「ありがとうございます。お金は払いますから」


「いらない。でも、それより遅刻するよ」



 彼に促され、辺りを見ると、私の学校の制服を着た子が心なしか足早に歩いていた。


「優菜。早く」


 そう言ってくれた彼の言葉がどこか恥ずかしくて、くすぐったくて、私の前を歩く彼の後を追うことに決めたのだ。


「優菜。おなか空いたなら食べたら?」


 補習が終わって、目の前のパンをじっと見つめている私にあいがそう言ってきた。


「おなかはすいたけど、ただ」


「さっき二組の子に聞いたんだけど、今日宮野君と朝、一緒だったんだってね」


 私はその言葉に反応し、思わずのけぞっていた。


 まだ昨日は夢見心地で、彼女に伝えていなかったのだ。
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