私と彼の関係
 そう彼女は目を細めていた。


 あいはしっかりしていて、話を聞くと止めるかと思っていたけど、そういうことはなかった。彼女にとめられなかったことも、その背中を押してくれた要因だったのかもしれない。


「でも『彼女』になったなら、きちんと他の子に聞かれたら応えないとね」


「分かっている」


 あの宮野君の強引さから言って、否定でもしようものなら何かを言われそうだし、パンのお礼だって思うことにした。


 教室に戻ると、女の子がよってくる。クラスメイトの塩崎芽衣子だ。


「宮野君とつきあっているって本当なの?」


 一瞬、返事に困る。でも、さっきのあいとの話を思い出すと答えは決まる。


「本当だよ」


「そっかあ。フリーの間はチャンスがあると思ったんだけど」


 宮野君のもくろみはあっさり当たっていたのか、それ以上何かを私に聞いてくる子はいなかった。


 それだけ芽衣子の話がばっちりとひろがっていたということだけど。
< 40 / 235 >

この作品をシェア

pagetop