ばーか、だいすきだよ。
言った、言ってしまった。

ついに、ついに言ってしまった。

誰も言うコトができなかった言葉を。

誰よりもわたしが一番…


一番言いたくなかった言葉を。


「…なんでだよ」



…予想外…? 心なしか、リュウ、怒ってない?

えっとわたしの予想だと…

ここでリュウは照れて、赤くなって必死になって否定するのに…


とんだ計算違いだ、な。



「なんでって…こんだけ一緒にいたら分かるよ」

一生懸命、つくりわらい作った。

泣きそうにならないか、困って困って。

でも、泣きそうになる理由は、決して言わないよ…



「…」


黙り込む竜晴。

なんで?ちっさのこと、好きなんじゃないの?

ちっさのこと、誰よりも暖かく見てたじゃん。


もしかして――


「…リュウ、好きな人、いる…?」


ああ、失敗だ。この質問からすればよかった。

あんなに唐突に、聞いたわたしがバカだったんだ。



「…おれは……っ」


やっと顔をあげたリュウの表情を…






わたしは見ることができなかった
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