ばーか、だいすきだよ。
ちがうよ、ちっさ。

言わないんじゃなくて、言えなかったの。

ほんとだよ。

わたし、バカだから。

なんにも、言葉が出てこなかったんだ…。






ねえ、ちっさ。


少し前に、命に関わる病気を親から伝えられたあなた。


それよりも前に―


あいつのことが好きだって、わたしに打ち明けてたあなた。


あなたは十六歳まで、もつか分からない、って、言われた。


そんなさっちに、わたしは何も言えなかった。



さっちが好きだし。

恋より友情だし。

あいつの気持ちなんて、全然大きくなかったし…。






わたしは、ちっさの恋を―――― 見守るよ…。



……ちっさ

< 4 / 24 >

この作品をシェア

pagetop