ばーか、だいすきだよ。
「ゆんちゃん…元気ない??」

ハッとした。眠くて意識が飛んでたんだ。

「そんなことないよ~」

わたしは咄嗟につくりわらい。


幼馴染みって。

なんでも伝わって時に焦る。

ちっさには、変に思われたらいけない…。


「…そーお?」


ちっさは頭にハテナを浮かべて、わたしの顔を見つめる。

…そんな可愛い顔で見られたら、どきどきしちゃうなぁ。


まーた、わたしはハッとなる。


危うくどっかの変態オヤジになるとこだったよ…。

なーんてね。



ふとちっさを見ると、ちっさの視線はわたしの後ろにあった。


そこにいるのは…


「…竜晴」


まーた、ハッとする。声に出しちゃったよ、わたし。


ちっさが一瞬にして顔を赤くした。


「…ゆんちゃん…」

そして、しかめっ面でわたしを見る。


「無理しなくていいよ。本当に無理しないで。

 わたしね…、リュウのことなんかちっとも…!!」


「…分かってるよ」



知ってるよ、分かってる。

ちっさはあの日を境に、毎日を一生懸命生きるようになったから。

本当だったら、生きる気力をなくして、不登校にでもなると思う。


毎日を大切にするちっさは、わたしだけじゃない。


みんな、光って見えたんだよ。



わたしには…眩しすぎるくらいに

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