ばーか、だいすきだよ。
リュウが直視できなくなったのは――

一体、いつ頃からなんだろう。


たまーにリュウを思い出す時、笑いが込み上げてきて。

それから、なんだかキューって、切なくなる。

息が出来ないんじゃないかって思うくらい、苦しくなる。



なんなんだろう。

わたしもちっさも、リュウも。

14年生きてきて、男女交際ってものをしたことがない。

それはやっぱり――


幼なじみという関係で誤魔化してきた、

わたしたちの三角関係のせいなんだろうな。



だって、ちっさもリュウも、小学生の時から

数え切れないくらい告られてるし。


わたしは別に…どーだっていーんだけど。


だけど、ふたりとも、告白を受けたことはない。

わかってるよ。わかってる。

絶対に、恋人を作れない環境にしてる、幼なじみ。


これが1つの鎖によって繋がれているのか、

それとも産まれた時からの運命によって結ばれてるのか。



そんなの全然、わかんないんだけど。



ともかく、これじゃあ、進めないんだよ。


「ゆんちゃーん。聞いてくれるー?」


廊下の奥から飛び出してきた、ちっさ。

ほっぺが紅く染まって、瞳が潤んでいて。


後ろのリュウの、不可解な顔。表情。



――進めないんだよ…

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