王子様はカリスマホスト
「へえ、今日はお兄さん大学行ったんだ?横浜だっけ?」

琴乃の言葉に、あたしは頷く。

「うん」

「結構頭いいとこじゃない?ねえ、行ってみない?」

その言葉に、あたしは目を見開く。

「はあ?」

「だってさあ、大学って興味あるじゃん。サークルとかあって楽しそうだしい。お兄さんの友達とか、かっこいい人いるんじゃない?」

「何言ってんの。用もないのにいきなり行ったりしたらお兄ちゃんに怒られるよ」

あたしの言葉を全く気にしていない様子の琴乃。

「いきなりサークルに誘われちゃったりしたらどーしよー♪キャー、楽しみ!」

「琴乃ってば―――」

「用事なんてなんとでもなるってー、ほらそうと決まったら早くいこ!」

「ちょっと、勝手に決めないでよー」


結局。

あたしは琴乃に押し切られるような形でお兄ちゃんの通う大学へ向かうことになってしまった。

バイトの時間も気にしなければいけないのだけれど。

幸い、今日は午後の授業がないのでバイトの時間までにはまだまだ余裕があったのだった・・・・・。

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