王子様はカリスマホスト
「ここが、お兄ちゃんの大学・・・・・」

広いキャンパスは開放的で、広い芝生に遊歩道、おしゃれなベンチが並び、ガラス張りの広いカフェテリアが門からも見ることができ、とてもおしゃれな大学だった。

「うわあ、素敵じゃん!超イイ!憧れるなあ、こういうとこ!あたしもこの大学に入りたいなあ!」

感激しきりの琴乃。

「ちょっと―――恥ずかしいって、琴乃」

制服姿のあたしたち2人は、この構内では目立つことこの上なかった。

この大学の学生たちが、さっきからじろじろとあたしたちを見て行く。

「えへへ、注目の的?どっかにイケメンいないかなあ」

人の視線なんか気にせずにきょろきょろと周りを見回す琴乃。

その時―――

「あれ、もしかして堀高の子?」

突然聞こえてきた男の人の声に振り向く。

「やっぱりそうだ、その制服―――」

そう言ってこっちへ歩いてきたのは、メガネをかけた背の高い優しそうな男の人だった。

「あの―――」

「妹が、堀高なんだ。知ってるかなあ、1年生なんだけど。星野絵梨花っていうんだけど」

その言葉に、あたしと琴乃は驚いて顔を見合わせた。

琴乃が、先に口を開く。

「同じクラスです!」

「あ、マジで?」

嬉しそうに笑うその人の顔を、思わず2人でじっと見つめた。
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