王子様はカリスマホスト
言われてみれば似てる。

『星野絵梨花』は同じクラスの女の子で、ちょっとした有名人だった。

何といってもすごい美人で、頭もすごくいいのだ。

ちょっと近寄りがたい感じのする子で、いつも1人で本を読んでいるような女の子だった。

あたしも琴乃も、それほど話したことはないけれど・・・・・。

きれいな顔立ちで、確かに似ているのだけれど、絵梨花がこんな風に笑ったところは見たことがなかった・・・・・。

「俺、星野拓未。この大学の2年だよ。ところで、ここに何しに来たの?」

「あ、それは―――」

聞かれて、困ってしまった。

「あの―――」

何とかうまい言い訳を考えようとしていると―――

「唯菜?」

聞き覚えのある声に、あたしはぎくりと体を震わせた。

間違えるはずもない。

この声は―――

「お前、こんなとこで何してる?」

恐る恐る振り向いたそこには、予想通り―――

あたしをじろりと睨む、凛斗お兄ちゃんが立っていたのだ・・・・・。
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