王子様はカリスマホスト
そして、予想通りというか。

教科書とジャージを入れたバッグはめちゃくちゃ重くって。

「唯菜~、大丈夫?あんたちっちゃいから心配だよ~」

琴乃が心配そうに言うけれど、まさかこのバッグを持ってもらうわけにもいかない。

「だいじょぶ、だいじょぶ。あたしタフだし」

そう言って笑っていると。

「―――あれ、ねえ、なんか校門に誰かいるみたい」

「え?」

言われて見てみると、確かに校門のところにもたれかかるようにしている背の高い影。

制服じゃないみたいだから、この高校の生徒じゃないんだろう。

としたら、誰かを持ってるのかな?

そう思って、歩き続け―――その人物の姿をはっきり確認できたとき、あたしの足が止まった。

「唯菜?どうしたの?」

琴乃が突然立ち止まったあたしに合わせて足を止める。

そしてまた校門の方を見て。

「ね、あの人かっこよくない?大学生くらいかな。超美形っぽい!ねえ、もうちょっと傍に行こうよ」

そう言ったかと思うと、あたしの腕をグイっと掴み歩き出す琴乃。

「ちょ、琴乃、待ってよ、あたし―――」

慌てて腕を振りほどこうとして―――

校門にいた人物が、あたしに気付きこちらを見た。

―――うわっ、見つかった!

「唯菜?どうし―――」

「おい」

よく通る低い声。

あの人物がこちらへ歩いてくる。

そう、それは。

凛斗お兄ちゃんだった・・・・・。
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