王子様はカリスマホスト
「な、なんでそうなるの!あたしはただ―――」

「睡眠時間なら6時から昼の1時までたっぷり寝てる。余計な心配すんな」

「だって、昨日だって夕方寝てたじゃん」

「あれは寝るつもりなくってちょっとうとうとしただけ。その前にあんまり寝られなかったから―――」

「え、そうなの?」

と、あたしの言葉にお兄ちゃんははっとしたように口を押さえた。

「―――たまたま、だよ。とにかくそういうことだから」

もうこの話は終わり、という感じでスタスタと速足で先に歩き出すお兄ちゃん。

あたしは慌ててその後について行ったのだった・・・・・。


家に帰ると、お兄ちゃんはすぐに2階へ上がって行ってしまった。

あたしも自分の部屋へ行き、着替えを済ませるとベッドに体を投げ出した。

大きく息を吐き出し、目を瞑る。


ただ、引越して来ただけ。

パパとママはあたしを置いて旅行に行っているだけ。

きっと戻ってくる。

だから、大丈夫。

そう自分に言い聞かせ―――

あたしは、いつの間にか眠りに落ちていた―――。
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