王子様はカリスマホスト
『今日はお祝いね。ごはん、何がいい?』

ママの言葉に、パパが答える。

『俺はカレーがいいなあ』

『ええ?カレー、一昨日食べたばっかりじゃん!てか、なんでパパが答えんの?あたしのお祝いでしょ?』

あたしが言うと、パパは笑った。

『なんだよ、唯菜はケチだなあ。お祝いなら合格発表の時にもしたじゃないか』

『あの時もカレーだったじゃん!今日は外食がいい!』

『じゃあ今日は久しぶりにホテルのビュッフェでも行く?』

ママの言葉に、あたしは手を打った。

『本当?やった!ね、ついでにもう一つお願い!』

『おいおい、あんまり調子に乗るなよ。うちは貧乏なんだから』

『一つだけだってば!どうしても欲しいの!』

『なあに?』

『携帯電話!』

中学までは、必要ないと言われて持たせてもらえなかった携帯電話。

でももう友達はみんな持ってるし、高校生になったらアルバイトもしようと思ってる。

そうしたら、やっぱり携帯電話くらい持ってたい!

『携帯?必要かあ?』

パパが顔をしかめ、ママはう~んと考え込む。

『そうね~、もう高校生だし―――そろそろ考えてあげてもいいかしらね~』

『ホント!?マジで約束だよ?ママ大好き!!』

ママも、パパも、大好きだよ・・・・・。



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