王子様はカリスマホスト
「ヴァンパイア!!―――ってなんだっけ?」

翌日の学校で。

琴乃の言葉に、思わずこける。

「あのね・・・・・吸血鬼だよ。吸血鬼は知ってる?」

「あー、知ってる知ってる!血ィ吸う人ね」

「・・・・・ま、間違ってはないよ」

「で、それのかっこしてるの?ホストが?へえ~、なんか面白いね」

「でもちょっと不気味だよ?入るのにちょっと勇気いる感じ」

「でもホストクラブってそんなもんじゃないの?よく知らないけどさ。それに、唯菜のいとこのお兄ちゃんてこないだの人でしょ?超美形!あんな人そうそういないよね!あの人にだったら、あたしも血ィ吸われてもいいなあ」

うっとりとそう言う琴乃に。

「だから、血は吸わないって・・・・・」

と、力なく言うあたし。

「でもさあ、確か大学生って言ってたよね?ホストなんてやってて大丈夫なの?昼間、寝てるんじゃないの?」

言われて、あたしもはっとする。

そう言えば、いつもあたしが帰るころに起きてるみたいだけど―――

大学、ちゃんと行ってるのかなあ?

「にしても、かっこいいなあ、凛斗さん、だっけ?あたしもそのホストクラブ行ってみたいかも~」

「高校生は入れてくれないよ。あたしだって追い返されて―――まったく、ひどいんだから!」

思いだして、また腹を立ててるあたしを見て。

「怒ってばっかりいると、しわが増えるよ?」

と、琴乃に言われたのだった・・・・・。
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