王子様はカリスマホスト
「―――で、働く―――」

絞り出した言葉に、お兄ちゃんが顔を顰める。

「ああ?なんつった?聞こえねえよ」

あたしはきっとお兄ちゃんを睨みつけ。

「ここで、働くって言ってんの!!」

と言い放ったのだった。


お兄ちゃんは目を見開き、千尋さんもぎょっとしてあたしを見る―――。

「お前―――ふざけんな!ホストクラブで女が働けるわけねえだろ!」

「客に見られなきゃいいんでしょ?掃除とか、洗い場とか―――なんでもいい。なんでもする!ここで、30万分稼げば文句ないでしょ!!」

「あほか!どこの世界に女子高生を雇うホストクラブがあんだよ!んなもん認められるか!」

「だって、その辺のコンビニなんかで働いたって30万なんてすぐに稼げないもん!」

「だからって何で―――」

「ここなら、夜のバイトならお給料だって昼間のバイトよりは多くもらえるでしょ?それで毎日働けば―――」

「だから!そんなの親父が許すわけ―――!」

「どうしたんだい?大きな声出して」

その声に、あたしたちは一斉に上を見上げた。

回廊の上で、あたしたちを不思議そうに見下ろしていたのは、叔父さんだった―――。



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