王子様はカリスマホスト
千尋さんの話は、こうだった。
3年前、閉店した叔父さんのレストラン。
そのレストランの唯一の常連客だった男が、あの『ヴァンパイアハウス』の元締めである会社の会長だった。
レストランを閉めた後、叔父さんはとにかくいろんな仕事を探し、面接に行っては断られ、受験生だったお兄ちゃんのアルバイトのお給料で暮らして行かなくてはいけないほどだったという。
その時期、あたしの両親もいくらかは援助していたらしいけれど、叔父さんの方が遠慮していたようだった。
そしてそんな時、お兄ちゃんがアルバイトしていたレストランに、その会長が客として行き―――お兄ちゃんを見て、声をかけたのだという。
ホストをやる気はないかと。
お兄ちゃんほどのルックスなら、すぐにナンバーワンになれると。
話を聞いて、お兄ちゃんは叔父さんに相談した。
叔父さんは最初はもちろん反対で。
だってその時、まだお兄ちゃんは高校生だったのだから。
しかも受験生。
それでなくとも毎日アルバイトをしなくてはいけなくて、叔父さんはずっとお兄ちゃんに申し訳ないと思っていたらしい。
だけどその会長はお兄ちゃんを諦めなかった。
お兄ちゃんの父親があのレストランのオーナーだったことを知ると、家まで来て叔父さんを説得したらしい。
横浜でホストクラブを開く予定があると。
お兄ちゃんにその気があるなら、学費も援助するから、大学に行きながらでもホストとしてその店に来ないかと。
それを条件に、借金も肩代わりするし、叔父さんをオーナーとして雇うと。
そして―――
結局お兄ちゃんの説得もあり、叔父さんはその条件でホストクラブのオーナーになることを決めたということだった。
叔父さんを助けるため。
お兄ちゃんは自ら、ホストになる道を選んだのだ・・・・・。
3年前、閉店した叔父さんのレストラン。
そのレストランの唯一の常連客だった男が、あの『ヴァンパイアハウス』の元締めである会社の会長だった。
レストランを閉めた後、叔父さんはとにかくいろんな仕事を探し、面接に行っては断られ、受験生だったお兄ちゃんのアルバイトのお給料で暮らして行かなくてはいけないほどだったという。
その時期、あたしの両親もいくらかは援助していたらしいけれど、叔父さんの方が遠慮していたようだった。
そしてそんな時、お兄ちゃんがアルバイトしていたレストランに、その会長が客として行き―――お兄ちゃんを見て、声をかけたのだという。
ホストをやる気はないかと。
お兄ちゃんほどのルックスなら、すぐにナンバーワンになれると。
話を聞いて、お兄ちゃんは叔父さんに相談した。
叔父さんは最初はもちろん反対で。
だってその時、まだお兄ちゃんは高校生だったのだから。
しかも受験生。
それでなくとも毎日アルバイトをしなくてはいけなくて、叔父さんはずっとお兄ちゃんに申し訳ないと思っていたらしい。
だけどその会長はお兄ちゃんを諦めなかった。
お兄ちゃんの父親があのレストランのオーナーだったことを知ると、家まで来て叔父さんを説得したらしい。
横浜でホストクラブを開く予定があると。
お兄ちゃんにその気があるなら、学費も援助するから、大学に行きながらでもホストとしてその店に来ないかと。
それを条件に、借金も肩代わりするし、叔父さんをオーナーとして雇うと。
そして―――
結局お兄ちゃんの説得もあり、叔父さんはその条件でホストクラブのオーナーになることを決めたということだった。
叔父さんを助けるため。
お兄ちゃんは自ら、ホストになる道を選んだのだ・・・・・。