王子様はカリスマホスト
「―――凛斗、こんなとこで寝てたのか」

叔父さんの声にはっとする。

―――凛斗?今、凛斗って言った?だってこの人は―――

あたしは目の前の、ソファーに座って眠たそうにあくびをしている人物を見上げた。

金というよりも銀髪に近いんじゃないかというほど色素の抜けた髪。

そして瞳は確かに薄いブルーだ。

顔立ちからしても、外人にしか見えない。

これのどこが―――?

じっと凝視していたあたしの視線に気づき、目の前の男がにやりと笑った。

あまりにも整った顔立ちの男の人の笑顔に、思わずドキッとしてしまう。

「そんなに見つめて、もしかして惚れちゃった?」

ぐっと顔を近づけてそう言われ、あたしはぎょっとする。

「は?」

「見惚れてたんだろ?俺があまりにもかっこよくて。いいぜ、1回くらい相手してやっても。お子様の相手はしない主義だけど―――今回は特別に、5千円でいいや」

そう言うと、さらに顔を近づけ―――

「凛斗!」

叔父さんの声に、我に返る。

もう少しで、唇が触れるというところで―――

「いやっ」

思わず手が出てしまった。

パシッという乾いた音がして。

男が頬を押さえた。

「って―――・・・・・なんだよ、しばらく会わないうちに随分乱暴になったな、唯菜」


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