王子様はカリスマホスト
翌日は土曜日。

パパとママの四十九日の法要―――。

黒い喪服を着た叔父さんとお兄ちゃんと、制服を着たあたしは斎場に行った。

お経を読んでもらっている間も、その後の納骨の時も。

あたしはぼんやりしていたと思う。

現実感がなくて。

小さな四角い箱に収まっているはずのパパとママの遺骨。

だけど、それを見てもあたしは何も感じることができなくって。

お墓を見ても、明るい日差しの下、きれいに磨き上げられたそれは、まるで一つの芸術品のようで。

パパとママの姿と重ね合わせることはできなくって。

儀式的に進められていく作業を、あたしはただ促されるまま手伝っているにすぎなかった。

亡くなった日から7週間は、この世とあの世の狭間を彷徨っていると言われているそうだ。

だとしたら、パパとママはどこにいたんだろう。

あたしのすぐそばにいたんだろうか。

あたしのことを、見ていてくれたんだろうか。

あたしには、わからなかった。

だって、何も感じなかった。

だって、あたしは会えなかったから。

2人が死ぬときにも、それから最後のお別れのときにも。

あたしは、2人の顔を見ることはできなかった。

突然、会うことができなくなって。

だから、2人が死んでしまったという事実を、あたしはどうしても受け入れることができなかった・・・・・。
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