王子様はカリスマホスト
凛斗の憂鬱
『君、ホストをやってみる気はないか?』
そう声をかけられたのは、18歳の時。
俺は高校3年生で、受験生だった。
小学生のころ母親をなくし、父親とともに北海道へ引っ越した。
父親の夢でもあったレストランの経営は、不況の波を煽ったのか経営不振で廃業。
今は警備員の仕事なんかをしながら就職先を探している状態だった。
生活も苦しく、俺も受験生だからと言って甘えることはできずアルバイトに明け暮れる日々。
イタリアンレストランでのバイトは週に5日。
ウェイターの仕事は嫌いじゃなかった。
ルックスはわりといい方だというのは昔から自覚がある。
子供のころから、ラブレターをもらったり告白されたりなんて言うのはいつものことだったから。
だけど、そんなのは別に興味はなかった。
女にもてたって意味がない。
他人には興味がない。
ただ1人を除いては―――。
本当は、北海道なんて来たくはなかった。
遠く離れてしまえば、彼女は俺のことなんて忘れてしまうだろう。
だけど、そんなわがままを言える状態じゃなかったし。
親父の夢を応援したいという気持ちもあったから。
だけど、その夢が破れてしまった今、やっぱり俺はあの場所へ戻りたいと。
彼女の傍へ行きたいと。
そう思っていた。
彼女の名前は、崎本唯菜―――。
俺のいとこだった。
そう声をかけられたのは、18歳の時。
俺は高校3年生で、受験生だった。
小学生のころ母親をなくし、父親とともに北海道へ引っ越した。
父親の夢でもあったレストランの経営は、不況の波を煽ったのか経営不振で廃業。
今は警備員の仕事なんかをしながら就職先を探している状態だった。
生活も苦しく、俺も受験生だからと言って甘えることはできずアルバイトに明け暮れる日々。
イタリアンレストランでのバイトは週に5日。
ウェイターの仕事は嫌いじゃなかった。
ルックスはわりといい方だというのは昔から自覚がある。
子供のころから、ラブレターをもらったり告白されたりなんて言うのはいつものことだったから。
だけど、そんなのは別に興味はなかった。
女にもてたって意味がない。
他人には興味がない。
ただ1人を除いては―――。
本当は、北海道なんて来たくはなかった。
遠く離れてしまえば、彼女は俺のことなんて忘れてしまうだろう。
だけど、そんなわがままを言える状態じゃなかったし。
親父の夢を応援したいという気持ちもあったから。
だけど、その夢が破れてしまった今、やっぱり俺はあの場所へ戻りたいと。
彼女の傍へ行きたいと。
そう思っていた。
彼女の名前は、崎本唯菜―――。
俺のいとこだった。