王子様はカリスマホスト
叔父さんと叔母さんが亡くなった。

そのニュースが飛び込んできたのは、ホストクラブでの仕事を終え、家で寝ているときだった。

血相を変えて飛び込んできた親父が、そう言ったのだ。

『交通事故で―――』

瞬間、頭に思い浮かんだのは唯菜のことだった。

『唯菜は―――』

『わからない。病院に運ばれたって聞いたけど―――』

すぐに親父と一緒に病院に駆け付けた。

そこで、唯菜は奇跡的に無傷で助かったと聞き、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、それから1週間もの間、唯菜は目を覚まさなかったのだ。

叔父さんと叔母さんの葬儀を済ませ、初七日が終わっても、まだ目を覚まさない。

親父と2人、交代で病院に通う毎日。

優しかった叔父と叔母の死も相当ショックだったけれど。

この上唯菜まで逝ってしまったら―――

祈るような気持だった。

どうか、目を覚ましてくれと。

そのためだったら、何でもするのに―――

俺には何もできなかった。

ただ、唯菜が目を覚ますまで待つしかない日々が。

俺にとってはこの上ないほど辛い日々だった・・・・・。

仕事が終わって家に帰って来ても、眠ることができない。

そんなある日。

漸く、待っていた知らせが来たのだ。

『唯菜ちゃんが、目を覚ましたよ!』

親父からの、電話だった・・・・・。
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