リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『同級生』・1
唇を離した後、何となく気まずかったけれど、お互いに見詰め合っていた。

「…ゴメン。悪かったわ」

そう言ってゆっくりとアイツを解放した。

「何で謝るの? 抵抗しなかったのは、オレだよ?」

「アンタに好きな人がいたら、悪いことでしょう?」

「確かに好きな人はいるよ。…キミだよ」

「…えっ?」

驚いて目を丸くするアタシを、アイツは優しい表情で見ている。

「席替えの時、実はズルしてたの、気付かなかった?」

「はっ? ズル?」

クジは担任がお手製で作ってきたものだった。

それを出席番号順に引いていただけで、ズルなんてしている暇…。

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