チ イ サ ナ ヒ ト ツ ブ【思集 2】
生の灯火
二人だけの部屋の灯りは
小さな間接照明と月明りだけ
そんな理想を口にする君は
響く雨音を気にかける
どうした?と尋ねる俺
胸の音が聞こえない、とお前
雨の小さな粒にかき消される
もっと小さな生の鼓動
お前は胸に頭をくっつけて
俺はそんなお前の髪に口付ける
大丈夫
抱きしめたお前に跳ね返り
トクトクと響いている音
薄明かりすら俺にはいらない
そうやって俺の生をお前が
いつも生を確認させて
いておくれよ
そして俺の胸で眠るんだ
俺にはお前こそが
生の灯火
笑夜