チ イ サ ナ ヒ ト ツ ブ【思集 2】
春夏秋冬、彼等の様に
夏、焼ける太陽に緑焦がし
秋、そよぐ風に落ち葉散し
冬、身を剥がし寒さに耐え
春、咲かす彩りはまた巡る
繰り返すどの姿にも抗わず
覆うどの空仰げど芯折れず
ただ光陰に委ね密かに育ち
必ず小さな蕾を花開かせる
開花は永遠と終着でない事
散るもまた永遠ではない事
彼等は知りながら時を待つ
前進も後退もせず寡黙な命
凛としたその姿を見て想う
どの季節に今あったとして
蕾を、芽を、心に育てたい
笑夜