チ イ サ ナ ヒ ト ツ ブ【思集 2】
虚像
お前は俺に
全てを見せてるかい?
俺の居ない
お前の居る世界の事も
そこでの指の動きや
息遣いの全てを
胸の内の空間に溢れる
想いの色や闇や無を
俺には知り得ない
永遠に知る事の出来ない
お前の大半は俺にとっては
虚像
それを嘘と呼ぶのかと
自問に自答して得たものは
誤
ただ、
信じられるかと言えば
実はそれも違うんだ
だから虚像は虚像
信じる術のない頼りない
繋がりだ
それでいいと思えた時
吐く言葉すらデタラメに
聴こえるようになった
引き換えに理解したのは
自分もまた真実から程遠い
そんなか細い存在だと
云う事で
理解なんてされる訳も
ないのだから
信じてもらえなくていい
そう思ったら自分が
跡形もなく 消えた
笑夜