チ イ サ ナ ヒ ト ツ ブ【思集 2】
オレハココニイル
俺のこの世での身体
一つ
胴体に頭蓋が乗っかり
腕と脚、
後は生殖器が一つ
付いている
頭の中が命令を下し
脚は動き前へと進む
腕は動きモノを描く
後は本能が性欲を促し
頭の命令とは無関係に
動いたりするんだ
身体への命令を下すのが
頭の中の脳だとしたら
頭へ命令するのは
一体誰だなんだ?
勿論俺だ、
と言い切りたいけど
肝心な俺の居場所は何処か
それがわかりやしない
身体は従順であるべきだ
そしてまた、
従順であるはずだろ?
にも関わらず上手く使えない
それはきっと、
きっと上手く命令出来ていないせいだ
頭が?脳が?俺が?
明かにこの疑問は三者が
同一のモノでない証拠だ
それでも俺は、
見たり聴いたり触れたり
想像したりしながら
何かをちゃんと感じてる
この仕事をしているのは
頭でないとしたら
心だ
心に潜みながら、頭と対峙する
従順な身体に蜘蛛の糸の様な
か細い神経で縛り
操り人形の様に指図しながら
好き勝手な横暴を繰返す頭と脳
俺は此処にいる
俺は心に居る
オレハココニイル
オレハココロニイル
笑夜