桜舞う冬
桜と9月
どこにも光の無い暗く淋しいところに俺はいる……。
いったいここはどこだろう?
「…り……」
ん?どこかで声がする。
「……りょう…涼…」
俺の名前だ!
「涼!!」
あっ!その声は!
桜だ!
「桜ー!俺だ!涼だ!!」
はっ……。
俺は周りの視線にすぐ気がついた。
そしてこの状況も。
どうやら俺は寝ていたらしい。
「大水は転校生の大水さんと知り合いなのか?」
「へ?」
俺は黒板の『大水 桜』という字を見てから転校生を見た。
(誰だコイツ…。)
「大水の親戚か??」
あはははははは!!!
先生の言葉にみんな大爆笑。
「大水。中学最後の夏休みはもう終わったんだ。朝学活から寝るなよ?」
「はい…。」
そういいながら勢い余って立ち上がった体をゆっくり椅子に戻す俺。
それにしても俺が呼んだ桜って…?