「「キミに…」」 (梓&由浩)
順調だったんだ。
練習試合でも打順は後ろでも
試合には起用してくれて、
スタメン起用してくれて、
順調だったんだ。
先輩も後輩も監督も、
少しずつ認めてくれいたんだ。
「っ…;;」
「?? どうしたのヒロ」
「何か腕痛てぇ…」
「今日先生来る日だから訊いてみたら??
監督にはあたしから言っとくから」
「わかった。 悪ぃな」
「全然!! マネジの仕事ですからッッ☆」
何だか嫌な予感はしていた。
「ベネット損傷かもね」
「……は?」
「ベネット損傷。 知らないかな??」
聞いた事無かった。
「まだ症状が軽いから大丈夫だと思うけど、
少し練習量を減らそう。
じゃないと悪化するからね」
「マジッスか…。」
もぅ少しで夏の予選。
背番号を貰った。
しかも一桁。
先輩も同級生も後輩も監督も
認めてくれてもらったのに、
何でこんな時にって思った。
「まだ症状が軽いから大丈夫だよ。
今は少しだけ練習時間を減らして
練習前にストレッチを丁寧にね」
「……はいっ」
「………焦ったらダメだよ。」
「……はい。 ありがとうございました」
「お大事に」
何でこんな時にって思った。