「「キミに…」」 (梓&由浩)




「あー梓泣いてる!!」

「なっ麻美っ///」


こんな事で泣いてるあたしを

見られたくなかった。





「………。」


「出た出た『泣き虫梓』!!」

「もーうるさいッッ///」

「そぅいえば俺らの代の時も泣いてたな」

「雅也先輩まで〜〜///」




「………。」





「ヨシ、

あたし達帰ろうか?」



あたしは騒いでたからうるさかったけど、

麻美がヒロにそぅ言ったのは

はっきり聞こえた。




「じゃなくて!!

ヒロも帰るの!! 明日も試合でしょ!?」





本当は嘘だよ。


あたしだって二人っきりになりたい。

でもなったら、

あたしきっと泣いちゃう。







「……………悪いけど、

………そぅしてもらぉうかな…」



「じゃぁ帰るよ拓巳!!」


「ちょっとその前にヨシ、サイン頂戴!!

みんなに自慢するから!!」



ヒロは笑いながら「はいはい」と言って

ヨシの持っていた

真っ白なボールにサインした。














―――――……バッタン…



みんなが

帰ってしまった。


部屋にいるのは、

あたしとヒロだけ。






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