「「キミに…」」 (梓&由浩)
松本由浩
『試合終了でございます』
今日も終わった。
今日は何だか体が勝手に動いたってか
うまくいき過ぎだと思った。
「ヨシ今日ヒーローかもよ」
隣にいた先輩が俺に言った。
「南じゃ無いッスか?
1軍初出場初勝利だから…」
「あぁーそっか」
片付けをしていたら
「松本と南、今日のヒーローな」
「ぇ…」
「ほらな♪」
隣で先輩が嬉しそうに言っていた。
『本日のヒーローはこの人!!
松本由浩選手と南圭介投手です!!』
ベンチから出ると、
一気に歓声がわいた。
「っ……」
「?」
後ろの南がオドオドしている。
「どうしたんだよ」
「ぁ、いゃ人の多さにビビって;;」
「プッ…何だよそれ(笑)」
マウンドでは
強気でキリッとした顔をしている
南とは全然違って笑えた。
「緊張すんのはまだ早い。
こっからが緊張すんだよ」
「ちょっそんな事言わないで下さいよ;;」
南の意外な一面を知った。