この愛を君に
――次の日 セツナ
「ん…」
「あっ、目、覚め…」
「ぁ…ぅあ…」
男の子は私を見ると怯えていた。
「ど、うして…」
「?」
「僕、何でここに…」
そうだ…意識を飛ばしていたから彼には分からないのだ。
とりあえず、彼を抱きしめた。
なぜだろう…
「キミはね、寒いなか外に薄着で居たんだよ…」
「あなた、は…」
「あっ、ごめんね。私はねセツナっていうの」
抱きしめて分かった
この子は、人が怖いんだ。
かすかにふるえていたからわかった。
「ぁう…せつ、な?」
「そう…セツナ。私はキミの敵じゃないよ?安心して…大丈夫…」
「僕…僕…」
涙を浮かべて私を見る。
「あっ、目が覚めたみたいだね。シュン君。」
「…!」
「はは、大丈夫だよ。俺は此処の医者だから。」
突然部屋には行ってききた人物は、山里律先生。
以前このこと同じような子を治療したらしい。
「…お医者、さん…」
「そう、キミはしばらく入院してもらうよ。友達になれるかは分からないけどキミと同じ名前の子が来てるんだ。おいでシュン」
「えっと…こんにちは」
彼の後ろから少し小柄な眼帯をつけた男の子が出てきた。
「初めまして、西條シュンです。えっと…その…仲良くしてね」
「…しゅ、ん…」
「そう、キミもシュン君だよ。一緒だね」
その子は可愛らしいピンやゴムをつけていた。