-sad and painful-
ぶらんこに
静かに腰をおろした

2年前も
こんな風に
貴が来るのを
待ってたっけな…

思い出したら
悲しくなる
忘れようとしたら
苦しくなる

こんなにも
大切な存在だった
いなくなってから
気付いたバカな自分

大好き

この気持ちを
伝えたいと思う人は
もう隣にいない

そっと目を閉じる

目を閉じれば
よみがえる
高校二年生で
止まってしまった貴

「会いたいよ…貴」

何所にいるの?

「…おい
学生がこんなとこで
何してんだ」

頭上で聞こえた
男の人の声
目を開けてから
上を見上げた

「………貴?」

小さな公園に
優しい風が吹き抜けた
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