-sad and painful-




絶望とともに襲う虚無感


脱力



捜して意味があるのか。
見つけても、拒まれるだけじゃないのか。


お前じゃだめだって。
また、貴から扉を閉められる。

貴の母さんだって逃げた。





「楢崎さん、ありがとうございました。」


私は涙を拭って、アルバムを閉じた。



「咲?」


琉加は、私の様子を心配そうに見る。



立ち上がろう



立ち止まったあの日から、前に進もう。



倒れた砂時計をもう一回立てるんだ。




私はニッコリ笑う。
笑えるんじゃん、私。



「琉加、貴捜索は終了っ。」


「は?」


「本当にありがとうね。
楢崎さんにも迷惑かけたし。


もういいや。
きっと何かあって自分の意思で消えた。貴は。


私は、きっと入る余地は無い。


だから、止める。
前に進むよ、私。」


「咲が納得できたならいいよ。」


そういって、琉加も立ち上がる。
さすが親友、物分りが良くて助かる。
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