-sad and painful-
「お前、それでも捜すのを諦めるか?」
「え、?」
楢崎さんは、私をしっかり見据えて言った。
「諦めんなよ、バカ。」
「バカ!?」
「多分あいつはお前を待ってる。
俺も全力で協力してやる、だから諦めるな。バカ。
探せ、捜し出して抱きしめるくらいのことをしてやれよ。
お前、貴好きなんだろ。」
「……………。」
バカバカ言われてるのは気に入らないけど、楢崎さんの言う通りだ。
大好きだよ。
大好きすぎて苦しいんだよ。
「楢崎さん、助けてよ。」
「はぁ。
どいつもこいつも、俺に頼ってばっかでさぁ。
母ちゃんじゃねえんだぞ俺。」
「あっはははは!
楢崎さんみたいな母ちゃんいたら私卒倒するわ。ショックで。」
「撃つぞお前。」
「楢崎さん、よろしくお願いします。」
私は深く深く頭を下げた。
「アホか。
顔上げろ。
わかってるよ、ちゃんと。」
楢崎さんは、私の頭をくしゃっと撫でてニコリと笑った。