戦国の世に咲いた恋の物語~出会い編~
「失礼致します。
殿、凛殿をお連れしました。」
「ー入れ。」
スッと襖が内側から両側が開いた。そこ
には不機嫌そうに脇息にもたれかかり眉
間に皺を寄せ膝を指でトントンと苛立っ
た様に叩く、信長様がいた。
「遅い。」
「申し訳御座いません。
お支度に手間取ってしまいました。」
先ほど小枝と名乗っていた一番年上と思
われる侍女が頭を下げ、謝っていた。
元はと言えば私がもたもたしていたのが
悪いんだから、私が謝るべきだよね、こ
こは。小枝さんは悪くない。
「私がどれほど待ったと思っている。
待つのは嫌いだと言ったはずだ。」
「よく存じております。
どの様にでもお処罰、「誠に申し訳御座
いません。
私(わたくし)があまりに普段の生活とは
かけ離れたこの場所に戸惑い、我を忘れ
て呆けてしまっていたのです。
ですから、侍女の方々ではなく、非は私
に御座います。
罰されるのでしたら、私1人で。」
小枝の言葉にかぶせるように私(わたし)
は言った。