【短編】 ききたいこと
私は学年で3位に入った。
はじめてだった。
それまでの最高は5位だったから新記録は順位を2つも上げたことになる。
……残念ながら1位ではなかったけれど、それでも母と取り付けた約束は充分に果たされる価値を持っている。
試験前夜、私は母と、ある約束をしたのだ。
『もし、今回のテストで私が上位3位以内に入れたら塾を辞めさせて』―――と。
私が成績優秀であることが母の常の望み。
とあれば、母の大好きな上位に食い込むことさえ出来れば、彼女は言うことを聞いてくれるに違いないと思った。
だから私は思いきって挑戦状をたたきつけた。
しかし。