【短編】 ききたいこと
いくら塾のSクラスに通っているとはいえ私の最高は所詮5位。
上位を独占している優秀な生徒4人を、少なくとも2人は倒さなければならない過酷な戦いだということは、痛いほどわかっていた。
中には同じSクラスに通う、そのクラスの中でも常に上位にのぼってくる者もいたから、達せる自信はひどく弱々しいものだった。正直言って、不安でいっぱいだった。
それは、母もわかっていたようで―――
先ほどの反応を見る限り、どうやら彼女は私をひどく見くびっていたらしい。無理に決まっているとはなから決めつけていたようだった。
だからこそ、いいわよと彼女にしてはめずらしく、頷いてくれたのだろう。
だが。
やはり愛は強しである。
愛のパワーは底を知らない。
私は有言実行した―――することが出来た。